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東京地方裁判所 昭和45年(ワ)2854号 判決

被告 富士銀行

理由

《証拠》によれば、原告主張の請求の原因第一項を認めることができ、これに反する証拠はない。

請求原因第二項は、別紙預金債権目録記載の預金債権者が滞納者である点を除き当事者間に争いがなく、そして、《証拠》により認められる、被告銀行渋谷支店へ右預金預入れをなしていた者が滞納者事務局に勤務する訴外木村照康であること、右預金名義人安部吾一なる者は同支店届出の住所には居住しないこと、後記預金差押直後である昭和四一年一〇月一一日同支店に木村照康が安部吾一と名乗つてきて、差押につき同支店長に苦情を申述べていること、右預金口座には一度に一〇〇万円以上の金員が預入れられることがほとんどであり、取引回数も頻繁、しかも貨幣の種類がつねに多いこと、木村照康には右のような預金をするだけの経済活動ないし経済力があるとは窺えないこと、右のように右支店長に対する苦情があつたにも拘らず、右預金差押に対する異議申立等はなされていないこと、これらの事実を総合すれば、右の点を認めるに足りる。これを左右するに足りる証拠はない。

請求原因第三項は当事者間に争いがないから、被告銀行は原告に対し、同第四項のとおりの金員を支払うべき義務があるといわなければならない。

よつて、原告の請求は理由があるのでこれを認容

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